歯の豆知識

成田市にある歯医者、さくら歯科クリニックのブログ13

2019.03.10

とても怖いバイオフォルムの話しの続きです。歯周組織を破壊する歯周病菌は歯周ポケットの中でひそかやかに、そしてたくましく生息しています。「バイオフォルム」とはいったい何か、そしてそれはどんな問題があるのでしょうか。 口腔バイオフォルムは複数の菌が集まって構成され、その内部ではこれらの細菌による生態系が作られています。ある種の細菌が出す老廃物は他の栄養となるなど、一連の食物連鎖が出来ていると言われています。内部の細菌はあまり活発に活動しないものの、何かきっかけがあれば、再び活発に活動できます。 このバイオフォルム内に棲む細菌は、単独でいる場合と性質が大きく異なります。歯周病菌を例にとれば、口腔内に漂っている状態の歯周病菌は、殺菌剤でたちまち死滅しますが、バイオフォルムを形成した歯周菌の場合、バイオフォルムが殺菌剤に対する抵抗性を持っているために、表層の一部を殺菌するだけで、内部の歯周病菌まで殺菌することができません。そこでバイオフォルムの中を殺菌できる殺菌剤があればお口の中のバイオフォルムを減らす事が可能となり歯周病予防に有効であると思います。各メーカーが研究していろいろな成分が開発されています。 当院でおすすめしている歯磨材に入っている殺菌剤はイソプロメチルフェノールと言って、すでに50年も前から使用されている殺菌剤が入ったものです。歯磨材や洗口剤などで、従来から使用されて来た殺菌剤CPC(塩化セチルピリニジウム)は、口腔内の浮遊性細菌には強力な殺菌作用を持っています。しかしバイオフォルムに対してはCPC自体がプラスイオンを持っているため、マイナスに荷電したバイオフォルム表層の細菌に吸着し、それ以上奥まで浸透することができません。この結果から、バイオフォルムに浸透する殺菌剤の条件の一つがプラス・マイナスの電荷を持たない非イオン性物質が望ましいことが分かってきました。 しかし非イオン性の物質ならなんでも良いというわけではなく、親水性(水になじみやすい性質)と疎水性(水になじみにくい性質)の中間の性質であることもバイオフォルムに浸透する条件に一つです。これらの条件を満たす殺菌剤がイソプロメチルフェノールだったのです。イソプロメチルフェノールは非イオン性であるため、バイオフォルム表面の細菌に電気的に吸着されることなく、高い浸透力でバイオフォルムの表層から浸透し、次々と殺菌しながら奥深くの細菌にまで到達することができ、バイオフォルム全体を殺菌することが出来るのです。

投稿者:さくら歯科クリニック

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